iPhoneのパフォーマンス低下問題
昨年2017年12月28日に、米アップルが電池の劣化した旧型iPhoneのパフォーマンスをアップデートにより意図的に下げていたことについて、正式に謝罪しました。
(CNNより)
親にiPhoneを勧めた自分としてはひじょうに残念なニュースですが、まったくこの件に触れないでブログを書くのも不自然だと思うので、現時点(2018年1月10日)でのアップルの対応もまとめておこうと思います。
“2017年12月に海外掲示板やコミュニティサイトなどで、「古いiPhoneのバッテリーを交換すると端末の動作が軽くなった」という報告が続出した”
ことのようです。(Gigazineより)
“あるiPhone旧モデル利用者が「iOSをアップデートしたら急に動作が遅くなった」と投稿したことをきっかけに持ち上がった、“Appleが故意に旧モデルの動作速度を減速させるアップデートを行っているのでは”という疑惑”(ねとらぼより)は以前からあったようですが、ここにきて浮上。
クレームを受け、アップルが2017年12月20日に“バッテリーの劣化に対応した措置だとする説明文を出した” (ロイター通信より)のですが、同年12月26日までに米国内で8件の訴訟問題に発展。(ロイター通信より)
こうした動きののち、同年12月28日に正式な謝罪が発表されたようです。
日本のアップルのサイトでは同日付で「iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと」とのタイトルで、“Appleへの期待を裏切られたと感じる方(中略)心よりお詫び申し上げます。” に続き、“私たちが意図的にApple製品の寿命を縮めたり、お客様の体験が損なわれるようにしたことはこれまでに一度もなく、今後も決してない” とし、詳細な説明を行っています。
※なお、冒頭で紹介したCNNの記事では、“先週の時点で、ソフトウエア・アップデートで古いiPhoneの速度を意図的に低下させていたことを認め、バッテリーの長寿命化を図る狙いだったと説明していた” とありますが、少なくとも日本のアップルのサイトでは意図的だったかという点は確認できず、ロイター通信でも“アップルは28日に公表した発表文で、故意に製品寿命を短くすることはしていないと主張した。” とのこと。
……経緯をまとめていて混乱します。
”お客様の懸念に対応し、お客様によるご愛用に感謝すると同時に、Appleの意図に疑問を抱いたすべての方の信頼を取り戻すために”、
次の3点を実施すると発表しています。
バッテリー交換について詳しくはアップルのサポートページへ。期間は今年2018年いっぱいなのでご注意を。
なお、AppleCare+に加入中の場合のバッテリー交換は無償です。自分の端末が対象かどうかはアップルの保証状況確認ページで確認できます。
また、英国バークレイズのアナリストによると、このバッテリー交換サービスによって“2018年のiPhone販売台数に影響を及ぼす可能性があると指摘”。(1/4付けロイター通信より)
訴訟や調査の行方はこれから見守りたいと思います。
ネット上はじめ、さまざまな意見が出ているのですが、個人的にはバッテリーの劣化による機器のパフォーマンス低下も、新しい機器のスペックで最適なパフォーマンスをする設定も、そこだけで見ればiPhoneに限らずほぼすべての電子機器に言えることではないかと考えています。
たとえが少し強引かもしれませんが、買ったばかりの新機種のパソコンと、3年前に中古で譲り受けたパソコンで最新のOSを使うとしたら、バッテリーの過熱と持ち、処理速度が同じとは言えないと思います。
かと言って、アップルもOSの問題以前にユーザーに注意喚起することもできたのでは。かつての「ソニータイマー※」(下部参照)のようにならないかが心配です。
そんななか、WIREDの「旧型iPhoneのパフォーマンス低下以外に、アップルができたはずのこと」が一番しっくりきました。
“古いiPhoneのパフォーマンスを低下させるアップデートを無言でユーザーに押し付ける代わりに、アップルはそれをオプトイン形式にするべきだった。バッテリーが一度限界に達するとスマートフォンの動作が遅くなるのは、いまのところ避けられないことだ。ユーザーに選択肢と、判断に必要な知識を与えることによって、アップルは自社の方針に対してたくさんの不満の声が挙がるのを避けられただろう。”
“アップルのパフォーマンス抑制策は誤解を生みやすく、問題の最適な解決策からはほど遠い。ただし、リチウムイオンバッテリーはユーザーが知っておくべき問題をたくさんはらんでいるのも事実だ。”
(WIRED 2017/12/25の記事に12/28の発表の追記あり)
※なるべくニュースや公式発表から引用していますが、間違えていたり個人的見解が偏っている可能性もあります。
(CNNより)
親にiPhoneを勧めた自分としてはひじょうに残念なニュースですが、まったくこの件に触れないでブログを書くのも不自然だと思うので、現時点(2018年1月10日)でのアップルの対応もまとめておこうと思います。

- 経緯
- アップルの対応
- いま起こっていること
経緯
まずことの発端は、“2017年12月に海外掲示板やコミュニティサイトなどで、「古いiPhoneのバッテリーを交換すると端末の動作が軽くなった」という報告が続出した”
ことのようです。(Gigazineより)
“あるiPhone旧モデル利用者が「iOSをアップデートしたら急に動作が遅くなった」と投稿したことをきっかけに持ち上がった、“Appleが故意に旧モデルの動作速度を減速させるアップデートを行っているのでは”という疑惑”(ねとらぼより)は以前からあったようですが、ここにきて浮上。
クレームを受け、アップルが2017年12月20日に“バッテリーの劣化に対応した措置だとする説明文を出した” (ロイター通信より)のですが、同年12月26日までに米国内で8件の訴訟問題に発展。(ロイター通信より)
こうした動きののち、同年12月28日に正式な謝罪が発表されたようです。
日本のアップルのサイトでは同日付で「iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと」とのタイトルで、“Appleへの期待を裏切られたと感じる方(中略)心よりお詫び申し上げます。” に続き、“私たちが意図的にApple製品の寿命を縮めたり、お客様の体験が損なわれるようにしたことはこれまでに一度もなく、今後も決してない” とし、詳細な説明を行っています。
※なお、冒頭で紹介したCNNの記事では、“先週の時点で、ソフトウエア・アップデートで古いiPhoneの速度を意図的に低下させていたことを認め、バッテリーの長寿命化を図る狙いだったと説明していた” とありますが、少なくとも日本のアップルのサイトでは意図的だったかという点は確認できず、ロイター通信でも“アップルは28日に公表した発表文で、故意に製品寿命を短くすることはしていないと主張した。” とのこと。
……経緯をまとめていて混乱します。
アップルの対応
上記の日本のアップルのサイトでは、”お客様の懸念に対応し、お客様によるご愛用に感謝すると同時に、Appleの意図に疑問を抱いたすべての方の信頼を取り戻すために”、
次の3点を実施すると発表しています。
- バッテリー交換が必要なiPhone 6以降全対象にバッテリー交換の金額を8,800円から3,200円へ減額。(2018年12月まで全世界で実施。)
- 2018年の初頭に、iPhoneのバッテリーの状態をわかりやすく示す新機能をアップデートする。
- ユーザーの体験をさらに良いものにするための取り組みを続ける。
バッテリー交換について詳しくはアップルのサポートページへ。期間は今年2018年いっぱいなのでご注意を。
なお、AppleCare+に加入中の場合のバッテリー交換は無償です。自分の端末が対象かどうかはアップルの保証状況確認ページで確認できます。
いま起こっていること
さきに経緯でも触れたように、米国内での訴訟では原告がアップルに9990億ドル(!)の支払いを求めているケースも。また、2017年12月にフランスでも集団訴訟が起きたことにより、2018年1月9日フランス政府も調査に乗り出しました。 (Gigazineより)また、英国バークレイズのアナリストによると、このバッテリー交換サービスによって“2018年のiPhone販売台数に影響を及ぼす可能性があると指摘”。(1/4付けロイター通信より)
訴訟や調査の行方はこれから見守りたいと思います。

おまけ。
ネット上はじめ、さまざまな意見が出ているのですが、個人的にはバッテリーの劣化による機器のパフォーマンス低下も、新しい機器のスペックで最適なパフォーマンスをする設定も、そこだけで見ればiPhoneに限らずほぼすべての電子機器に言えることではないかと考えています。
たとえが少し強引かもしれませんが、買ったばかりの新機種のパソコンと、3年前に中古で譲り受けたパソコンで最新のOSを使うとしたら、バッテリーの過熱と持ち、処理速度が同じとは言えないと思います。
かと言って、アップルもOSの問題以前にユーザーに注意喚起することもできたのでは。かつての「ソニータイマー※」(下部参照)のようにならないかが心配です。
そんななか、WIREDの「旧型iPhoneのパフォーマンス低下以外に、アップルができたはずのこと」が一番しっくりきました。
“古いiPhoneのパフォーマンスを低下させるアップデートを無言でユーザーに押し付ける代わりに、アップルはそれをオプトイン形式にするべきだった。バッテリーが一度限界に達するとスマートフォンの動作が遅くなるのは、いまのところ避けられないことだ。ユーザーに選択肢と、判断に必要な知識を与えることによって、アップルは自社の方針に対してたくさんの不満の声が挙がるのを避けられただろう。”
“アップルのパフォーマンス抑制策は誤解を生みやすく、問題の最適な解決策からはほど遠い。ただし、リチウムイオンバッテリーはユーザーが知っておくべき問題をたくさんはらんでいるのも事実だ。”
(WIRED 2017/12/25の記事に12/28の発表の追記あり)
※ソニータイマー
:ソニーが製品の保証期間が過ぎると壊れるように設計しているといわれた都市伝説。(WIRED 2010年1月26日の記事より)※なるべくニュースや公式発表から引用していますが、間違えていたり個人的見解が偏っている可能性もあります。
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